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鍋料理を美味しく頂く!正しい食べ方やマナー解説

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鍋料理とひと口に言っても、使用する具材から鍋容器の種類まで多岐にわたり、日本各地で異なる地元の名物鍋も数多く存在します。料理の中でも多種多様さでは群を抜く鍋料理ですが、共通するのは「鍋を囲んで皆でいただく」という食事スタイル。だからこそ他人を不快にさせず、皆で美味しく楽しくいただける美しい食べ方が求められるのです。やってはいけないNGマナーなどを含め、皆が気持ちよく美味しくいただける正しい鍋料理のマナーをご紹介してまいります。

 

調理のマナー

鍋料理は何でも適当に鍋に入れればいいというものではなく、ちゃんとした調理の手順があり、その法則に従えばより美味しい鍋料理が完成します。

 

(1)下ごしらえをしておく

使う具材に料理前にちょっとしたひと手間を加えておけば、鍋料理がより美味しくその場の調理も楽になります。

  1. 鶏肉は熱湯にくぐらせてさっとゆがいておくと、アクや匂いが取れます。
  2. 貝類は貝殻に汚れがついている場合があるので、殻をこすり合わせてよく洗っておきます。
  3. 魚は塩をふってしばらく寝かせ臭みを取っておきます。
  4. アクや臭みの強いホウレン草やシラタキなどの野菜は下茹でしておきます。

 

(2)食材の切り方にもぬかりなく

  1. 人参・大根など根菜の面取りをして、煮崩れを防ぎ味を染み込み易くします。
  2. シイタケはV字切り込みなどをして味が染み込み易くし、桜型人参などと共に華やかなイメージを演出します。
  3. 白菜・キャベツなどの葉茎菜類は茎と葉の部分でゆで時間が異なるので、最初から分けて切っておき、茎の部分は食べやすいようそげ切りにしておくといいでしょう。

 

(3)最初に出汁をとる

出汁を取る時は強火にし、魚や鶏肉など出汁がでる材料を先に入れます。

 

(4)火の通りにくい野菜の入れ方

  1. 鍋料理に定番の野菜の中でも、大根・ゴボウ・人参・といった根菜類、じゃがいも・里芋などのイモ類は固くて火が通りにくいので、最初に鍋に投入します。
  2. 上記の野菜にしっかり湯通しできたら、シラタキなどのこんにゃく類や木綿豆腐などを入れて早くから味を染み込ませます。その後中火にし、絹ごし豆腐やしいたけ・しめじといったキノコ類など崩れやすい野菜を入れます。
  3. 次いで、葉の部分がすぐに茹で上がりやすい白菜・春菊・ホウレン草・キャベツなど葉と茎を伴う葉茎菜類を追加します。
  4. 湯通しするだけが美味しいい肉類や魚類は最後に入れて、硬くならないうちにいただくのが食べ時です。しゃぶしゃぶにする場合は「さっとくぐらせる」のポイントなのは言うまでもありません。

 

(5)食材の位置

お客様、上司、年長者の方と鍋を囲む場合は、鍋に入れる食材は彼らの目の前に置かないようにしましょう。基本的には調理も彼らにさせてはいけません。

 

取り分け方のマナー

さて、具材がぐつぐつ煮えて食べ時になったら正しく取り分けていただきましょう。取り分ける順序や配膳にも以下の注意が必要です。

(1)鍋に具材を入れる時も、鍋から煮立った具材を取り出す時も、鍋のそばにいる人は各自で全ての所作を自発的に行うのが基本ルールです。遠くにいる人や上司や目上の人には、鍋のそばにいる人が彼らの分まで調理や取り分けを担当するのが礼儀で、心配りの行き届いたマナーになります。

(2)食材は鍋から直接いただくのではなく、呑水という取っ手のついた小鉢などに取り分けていただきます。取り分ける際には見栄えを良くするために、野菜などは下に、肉や魚などは上に盛り付けて豪華さを演出します。スープは注ぐ際に飛び散らないよう小鉢の袖から流し込むように注ぎます。

(3)鍋のメインとなる肉・魚介類などは、各自が独り占めすることなく平等な配分になるよう、取り分ける際に分量に気をつけます。

(4)取り分ける順序はお客様、上司、年長者を優先し、次いで鍋から遠くにいる人に先に取り分け、自分は最後にします。

 

食事のマナー

食事の所作はその人本来の「人と成り」が自然に滲み出てしまうシーンです。気心の知れた家族や友人同士ならともかく、職場や招待の席などで失礼や粗相のないよう美しいマナーに気をつけましょう。

(1)呑水や小鉢などを口元に運んでいただく際、葉や茎が長い野菜やしゃぶしゃぶなどの長い肉類は、ズルズルと犬食いにならぬよう、食べる前に切ったり折畳んで食べやすくして口に運ぶのが美しい食べ方です。

(2)食べる順序は基本的に火の通ったものから取って、冷めないうちにいただきます。特に野菜は煮すぎると旨味成分がスープに溶け出して美味しくなくなってしまうので、トロトロに煮過ぎないよう早めに取り出します。

(3)しゃぶしゃぶ・スキヤキ・蟹など、主役が特定の肉や魚介類の場合は、それらのプレミアムな食材を最初に優先的に味わいましょう。

 

鍋料理でしてはいけないNGマナー

鍋料理は皆で囲んで楽しく美味しくいただくもの。一人でも礼儀を知らずマナーを守らない人がいたら、折角の楽しいひと時も台無しになっていまいます。同席者が引いてしまうような以下のようなNGマナーをしないよう心がけましょう。

(1)鍋奉行や鍋将軍にならない 鍋料理において、具材の入れ方や食べ頃など細かく指定して仕切る人は鍋奉行と揶揄され、同席者の自由と権利を無視するとして忌み嫌われます。一人一人の好みや自由を尊重しましょう。

(2)他人の分を勝手に取る 鍋奉行や世話焼きな人にありがちですが、親切心から人の意見を聞かずに勝手に取り分けるのはやめましょう。相手が望めばサービスしてあげて下さい。

(3)鍋から自分の箸で取る 鍋料理には共通で使う取り箸がついているので、必ず取り箸を使いましょう。自分の箸を逆さにして使うのもNGです。

(4)一度呑水に取った食材を鍋に戻さない 例え口にしなかった食材でも、一度呑水に取り分けた食材やスープは、もったいないからと鍋に戻してはいけません。そら箸と呼ばれるNGマナーの一つです。

(5)箸でやってはいけないマナー 以下のような箸使いは大人として見苦しい使い方で、お里が知られてしまうので気をつけましょう。

迷い箸:どれを食べようか迷い、鍋の上で具材をあれこれつつく
刺し箸:食材に箸を突き刺して食べる
箸渡し:箸から箸へ食材を渡す
ねぶり箸:箸についたものを食べたり舐めたりする

 

(6)鍋の中を描き回す 鍋の具材は順序立てて配置良く置かれています。鍋の中身を描き回すと、柔らかい具材が崩れて美しくないばかりか、取りにくくなってスープを濁したりするのでやめましょう。

 

気の効いた準備品

鍋料理では「してはいけないNGマナー」だけでなく、「したらさらに良いGoodマナー」もあるので、ちょっとした心遣いで好感度をアップしてみましょう。

(1)布巾・キッチンペーパー・ティッシュペーパーを用意しておく 鍋料理は汁を扱うので鍋周りは汁で汚れがち。常に清潔にいただけるよう、汚れたらすぐに掃除できる布巾やキッチンペーパーなどのアイテムを用意しておくといいでしょう。

(2)締めの食材を用意しておく 鍋の締めにご飯や麺類を入れる食べ方が人気です。沢山の食材からとれた美味しい出汁を有効に使って雑炊や鍋うどんができるよう、白米やゆでうどん、卵やネギなどを用意しておくと「気が効くおもてなし」として高く評価されるでしょう。

 

まとめ

鍋料理と言うと寒い冬に熱々でいただく定番料理のイメージがありますが、暑い夏にも夏バテで低下した体力を取り戻す夏鍋も人気で、一年中楽しめる料理です。沢山の食材が入って美味しいのは勿論、みんなで同じ鍋をつつくという、一種の連帯感が芽生えるのも鍋料理の魅力です。連帯の輪を乱さないよう、鍋料理の正しいルールを守って和やかで美味しい鍋タイムを楽しんで下さいね。

 

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