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人気の食材、鹿児島県産”黒さつま鶏”のブランド価値とは?

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今回のブログテーマは、私が経営している各店舗でご提供している鹿児島県の地鶏「黒さつま鶏」に関してご紹介したいと思います。

まずは「黒さつま鶏」の説明をする前に地鶏とは何ぞや?ですよね。私達のような食を専門としている職種の方や、食に関して詳しい方ですとある程度の違いは分かるかと思いますが、普段スーパー等で売っている若鶏と地鶏って何が違うの?と思われる方も多いかと思いますので、まずは簡単にその違いからご説明していきたいと思います。

食用の鶏は大きく分けて3つ

私達が普段食べている食用の鶏は下記のように大きく3つに分けることが出来ます。

  • 若鶏
  • 銘柄鶏
  • 地鶏

それぞれ詳しく解説していきます。

 

1)若鶏

こちらは若鶏、ブロイラー等と呼ばれる「食用専用種」として開発・改良された鶏でして、価格も安く、スーパー等でもよく売られている最も一般的に食べられている鶏の事です。飼育期間は50日程度で、肉質も柔らかく、唐揚げや煮物、鍋物など汎用性も高く様々な料理に用いられています。

 

2)銘柄鶏

鶏種は若鶏と同じですが、飼育期間を60~70日程度まで延ばしたり、エサや育て方を若鶏から変更する事で、若鶏とは多少違う味わいを持たせた鶏の事です。種類は多種多様で100種以上と言われていますが、基本は若鶏と同じなので、正直言って若鶏との明確な味の違いを感じるのは少し難しいかもしれません。

 

3)地鶏

若鶏は「食用専用種」ですが、地鶏の場合、両親または片親が在来種で、飼育期間・飼育方法等が明確に定められています。在来種とは、明治時代までに国内に土着した鶏の事で、現在認められているのは38種のみです。さらに、この在来種の血統が50%以上入っている鶏でしか地鶏と名乗ることは出来ません。飼育期間に関しては75日以上、飼育密度に関しては10羽/m2以下という基準が定められているので、若鶏と比較しても飼育期間、飼育密度が大きく異なる為、鶏の食感や肉質も若鶏と比べて明確に違います。さらに、それぞれの地鶏の生産者によってもエサ、育て方、飼育期間が変わってくるので、地鶏毎に味わいが違います。

このように、普段食べている鶏でも血統の品種・飼育期間・飼育方法によって多種多様となっております。

 

黒さつま鶏のブランド価値に関して

鹿児島県産 黒さつま鶏 しゃぶしゃぶ

黒さつま鶏は前述した地鶏のブランドの1品種ですが、そもそも黒さつま鶏は、鹿児島県の地域産業の発達を目指す為に生み出されました。かごしま黒豚・鹿児島黒牛といえば、日本全国に知られる名ブランド。そんな鹿児島の“黒”を背負う第3の特産品を誕生させるべく、鹿児島県の畜産試験場が研究を開始したのが平成13年。それから実に6年もの歳月を費やして誕生したのが「黒さつま鶏」です。最終的に研究を開始してから出荷までには10年の歳月がかかりました。

そして、現在では鹿児島の新たなる黒として注目を集めています。黒さつま鶏は両親共に在来種ですが、父方の在来種は江戸時代に薩摩藩で闘鶏用に作られた“薩摩鶏”です。日本三大地鶏に数えられている日本固有種で、天然記念物として国の指定を受けています。母方は“横斑プリマスロック”。洋風な名前ですが、立派な在来種の地鶏です。羽が白黒で碁石のように見えるため、鹿児島では「ごいし」の愛称で親しまれてきました。この2種を親に、鹿児島県が長い年月をかけて生み出した“黒さつま鶏”は、地鶏の中でも生育が早く、穏やかな性格でケンカも少ない為、生産性が高い点も特徴です。

また、黒さつま鶏と言っても一括りではなく、生産者によって飼育期間・飼育方法等が違いますので、自ずと味わいも変わってきます。私の店舗で取引をさせて頂いている生産者さんでは「飼育密度10羽/m2以下」「飼育期間75日以上」という地鶏の基準がある中で「飼育密度5羽/m2以下」「飼育期間はオス120日、メス150日」という独自基準で飼育されています。

私自身は鶏を育てた事は無いのですが、経営者視点で考えると、正直、この独自基準を保つのは非常に難しいと思います。当たり前ですが、飼育期間を延ばせば延ばす程生産計画は延長されますし、餌代や飼育する管理コストも追加されます。また、飼育密度を減らしているので、飼育出来る地鶏の数も減り、単純に出荷数が減ります。
単なる効率重視の生産性を上げるビジネスとは真逆をいっています。さらに、私は鹿児島の霧島にある養鶏場へ伺った事があるのですが、地鶏を育てている地面の改良や日照に関する気遣いなど、日々良い地鶏を育てる為の細部までこだわりを持たれており、こうした日々の努力が黒さつま鶏のブランド価値を高めているのだと実感させられました。

それほどまでに拘りを持たれて育てあげられた黒さつま鶏の味わいですが、食べると、プリプリと歯切れ良い適度な歯ごたえと柔らかな肉質のバランス。また、地鶏としては脂の乗りが良いことに加え、旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれているため、噛むとジューシーな肉汁と旨味が口いっぱいに広がります。その深みある味わいは「他の地鶏にはない食感」として、他のプロの料理人からも多くの好評を得られています。

 

 

「黒さつま鶏しゃぶしゃぶセット」の全国販売を開始

鹿児島県産 黒さつま鶏 しゃぶしゃぶ

現在、僕の経営している店舗はイタリアン、ダイニング、居酒屋と料理内容が異なる為、黒さつま鶏も各店舗ごとで違った調理法にてご提供しておりますが、多くのお客様からご好評を得ておりますし、これからもご来店頂くお客様に黒さつま鶏の魅力をお伝えしていきます。

さらに、2020年8月からインターネットを通じて、自宅で食べる事の出来る「黒さつま鶏しゃぶしゃぶセット」の全国販売を開始しました。これにより、今後全国の皆様へ黒さつま鶏を味わって頂く事が出来るようになったので、非常にワクワクしております。

販売ページはこちら

 

 

最後に

鹿児島県産”黒さつま鶏”のブランド価値について解説しました。こうして、生産者だけでなく、私も含めた販売者側が一丸となって黒さつま鶏の素晴らしさを発信していく事で、結果的により多くの方に黒さつま鶏を知って頂く事に繋がるのだと感じております。

ですので、このブログを読んで頂いている読者の方も、是非この黒さつま鶏を味わって頂ければ嬉しい限りです。それでは、今日はこのへんで。最後まで読んで下さりどうも有り難うございました。

 

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